チカンがやってきた

2001年10月23日
短大時代住んでいた下宿は、女だけのくせにとっても無防備だった。
カギは年中開いてるし、パジャマで外をウロウロする短大生達(←しかしこれはさすがに近所の奥様達に注意されやめた)
そんな下宿なだけにチカンさんはよくやってきた。

最初は誰も気づかなかったのだが、近所で最近チカンが出ているらしいという噂が流れた時、一人の下宿生が「実は・・・」と話しはじめた。
「恥ずかしかったし、勘違いだったかもしれなかったから言えなかったけど、こないだお風呂から上がったら、脱衣所のカゴの下着がなくなっていたの」と言う。
この下宿、玄関を入るとかなりの確立で誰にもあわずにお風呂場まで行けてしまうのだ。
しかも脱衣所兼洗面所には戸がなく、カーテンが一枚あるだけ。開けても音で気づかれることはない。

その下着だが着替え用はあったくせに、なぜか脱いだ方だけがなくなっていたらしい。
マニアの仕業か??
そんな事を話していたら、別の子が「実は私もあるんだよね」と話しだした。
その子の話しは、学校から帰ってきたら部屋の戸が開いていた(一部屋ずつカギつき)ので不思議に思い部屋に入ると・・・タンスが開いていて、下着に・・・かかっていたと・・・。
ギャーーー!!これは気持ち悪いーー!!

そんな話しがあっても我が下宿はまだ無防備のままだったのだが、それから数日後別の子も怖いめにあったと言い出した。
たまたまその日は全員出かけていて、その子一人しか下宿にいなかったのだが、部屋で本を読んでいるとドアのノブをガチャガチャとされたと言うのだ。
きっと留守だと思って各部屋をまわっていたのだろう。
その子はそれからとっても用心深くなった。

それでも被害者ではなかった私はノンキに毎日をすごしていた。
そこからまた数日後、夕食を食べて帰ってきた私達下宿生3〜4人。
私が一番先頭に立ち、下宿の玄関を開けたところなぜか見なれない男がコッチを向いて立っていた。
ここの下宿は下宿生の彼氏が入れ替わり立ち代り出入りしていたので、ま〜た誰かの彼氏だろうと思いつつ、私は元気に「こんにちは〜♪」と挨拶をした。

すると男はすんごくビックリした顔をして私を突き飛ばしてものすごい勢いで走り去っていった。
訳もわからず立ち尽くす私たちだったが、ようやく誰かが「・・・今の誰?・・・」と言い出した。
「あんたの彼氏じゃないの?」「え?私も誰かの彼氏だと思った」などという会話後みんなは気づいた。
瞬時に一人が「チカンだ!!」と叫びチカンの後を猛ダッシュで追いかけた。
それは私もビックリするほどの早さで、そこにいた誰しも驚いてそれを見ていた。

見とれる私達がボーッとそこに立っていると、ちょうどそこに当時の彼氏がやってきた。
「何してるの?」と言われ、皆我にかえり「チカンだーー!!」と後を追いかけた。
でも結局この男は取りのがしてしまい、くやしい思いをしたのだった。

それからこの下宿は出かける時は必ず全員カギを持って出かけるという条例ができ、玄関も必ずカギをかける事にしたのでした。
危ない危ない。

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